深海冷蔵庫

わたしのことと、わたしのまわりのひとたちのこと

カウントダウン

冷静になった、というか、時間が経って、自分の状況が飲み込めてきた、大事な人との大事な時間を、幸せだった思い出で終わらせるには、たぶん私たちはもう一緒にいてはいけない。それが、痛いくらいにわかっていて、どちらも少し執着していて、逃げとかそういうことじゃない、人間同士の信頼関係なのだから、そうじゃない、ああ、寒い冬に別れることなんてないのにね、猶予期間だったのかもしれないね、彼の仕事が決まって、私の心が揺れていて、それはもうこの未来を決めていた、遅かれ早かれ、最後までは居られないと思っていた時点で、彼の気持ちを裏切っていたのかもしれない。お金の問題にして、逃げても、案外正直で素直な私たちは、もう、この空気に耐えられない。

 

あと数日で家を出る、もう、キスをすることはないかもしれないね、ありがとう、ごめんなさい、悪い人に捕まっちゃったね、ありがとう。