深海冷蔵庫

わたしのことと、わたしのまわりのひとたちのこと

3月15日

何の気なしに、ゲームみたいに、始めた、AIが返信してるわけじゃないんだもんね、人の気持ちで男性側からお金が取れるって面白いビジネスだなって、妙に俯瞰しながら、アプリで知り合った人と連絡を取って会う、人間にはいろんな人がいる、いろんな欲がある、それが透けて見えるくらいには、私は冷静で、そしてどこかでいつも落胆している。

 

彼のような人は、いないと、いつもどこかでジャッジを下す、そのために、疲れてしまうことも厭わずに、睡眠時間を削って、人に会っているのかもしれない、納得するために、転職活動のように。

 

ドラマみたいな台詞、言わないでって笑った男は、ドラマみたいに律儀に、ホワイトデーを口実に、たぶん初めて会いたいとアクションを起こして、ただ、それに甘えることはできないと断った、大事にしてみたい知りたいと思ったけれど、その男が求めるものを私はあげることができない、そんなのわかりきっていたことなのに、あえて飛び込んでみた、身体の相性は多分悪くなくて、でも、不安だったし一緒に居ても寂しかった、それが全てだった、一緒に居ても私は私のことを好きになれない、自分の信義に反する、そう思ったら、その先に進むことはできなかった、結果、傷つけた、数日前の火曜日。

 

怖い思いをしたり不安になったり、少しの期待を持つこともできなかったり、そんなことを繰り返して、結局、彼に戻ってしまう、週1ペースで会っている、一緒に寝て、やりとりの回数は減っても、心が弱くなったとき、頼ってしまう、わたしは、変わったことを証明するために、日々を、コツコツ小さく前進したい、頑張る種になる存在が、今は必要だ、そして、依存先をたくさん増やしたい、仕事や趣味やコミュニティ、そうすればきっとお互いに自立し合える。

 

遊んだほうがいいよ、という人の言葉は、あまり信用できない、本当の愛を知ってしまったから、その心地よさを味わってしまったから。彼は強い、そして、ずるい、でも、たくさん笑って一緒に春めいた朝の道を歩く私のことを、私は大好きで、幸せだ、そう思えることが、嬉しかった、そんな朝を反芻して、帰りの電車に揺られる。

 

狭い一人分の布団で寝ているとき、寝返りを打つ、お茶を飲みたくて起き上がろうとする私を、眠ったまま強く抱きしめて離さない、寝ぼけていたけれど、唇を合わせる、行かないでと言わないけれど伝わってくるから、きゅーってなる、翌朝聞いても、決して覚えていない、私だけが知る彼